本文では、TOEFL iBT114点、スピーキングで27点を取得した私が、スピーキングの採点基準を解説します。
以下のような方はぜひご一読ください。
- ETS公式の採点基準を読んだが、いまいちよくわからない
- スピーキングの練習をしているが、自分の回答が何点相当なのか知りたい
- ETSの採点基準を踏まえて、スコアアップするための対策・方法が知りたい
それでは、早速見ていきましょう!
採点の考え方
TOEFL iBTスピーキングでは、各タスク別に、素点0点~4点の採点がされ、そこから30点満点のスケールにおける点数へと換算されます。つまり、
Task 1~4の全てで素点4点を取得→30点。
Task 1~4の全てで素点2点を取得→15点です。わかりやすいですね。
では、素点はどのように下されるかというと、以下3つの観点で判断されます。
①Delivery:流暢さ、聞き取りやすさ(発音・イントネーション)
②Language use:文法、単語
③Topic developement:回答の充実性、アイデア間の関連性
流暢で聞き取りやすく、適切な文法・表現を使用していて、問題に対して十分に、ロジカルに答えると、高得点がとれるとわかりますね。
素点別の回答の特徴
とはいえ、どのような回答が素点4点で、どのような回答が2点なのか、気になりますよね。
以下に、素点別の回答の特徴を記載するので、ご参照ください。
※何かしら喋っていれば1点は取れるので、1点以下は割愛します。
4点 | 3点 | 2点 | |
---|---|---|---|
Delivery | ・安定したテンポで、すらすらと喋っている。間がほぼない/あっても目立たない。 ・発音がクリアで聞き取りやすい。 | ・概ね、安定したテンポですらすらと喋っており、発音も聞き取りやすい。 ・ただし、発音、話すテンポ等に少々難があり、聞き手が頑張って聞き取らないといけない場面がある。 | ・話している内容は聞き取れるが、発音、話すテンポ等に難があり、聞き手が頑張って聞き取らないといけない。頑張って聞いても、理解できない箇所が複数ある。 ・回答が途切れ途切れなことが多い。 |
Language use | ・表現が的確かつ自然。「表現探し」(「英語でこれどう言うんだっけ?」と考えること)をしていない。 ・表現・構文にバリエーションがある。 | ・表現は概ね的確で、言いたいことはわかる。 ・ただし、一部不的確な表現や文法ミスが見られる。また、/若しくは、構文のバリエーションが少ない。 | ・使用している文法、単語の幅が限定的で、意味の伝達に影響している。 ・ベーシックな単語・構文を使用しており、つなぎの言葉は基本and, but, becauseのみ。 |
Topic development | ・時間内に、必要な内容を全て回答しきっている(意見+理由+具体例/テーマ+ポイント+具体例)。 ・つなぎの言葉を適切に使用しており、飛躍感がない。 | ・時間内に、必要な内容を概ね回答している。 ・ただし、一部内容が抜け漏れていたり、アイデア間の関連性がクリアでない場面がある。 | ・時間内に、必要な内容を回答しきれていない。説明の途中でタイムアップしていたり、リーディングやリスニングの内容を間違って理解・伝達していたり、内容の抜け漏れが多い。 ・アイデア間の関連性がクリアでない。 |
全般・備考 | ・とてもわかりやすく、聞き手が頑張って聞き取る必要がない回答。 ・発音はクリアであれば良く、ネイティブである必要はない。 ・完璧である必要はなく、少量のマイナーミスはOK。 | ・概ね良いが、聞き手が少しだけ頑張って聞き取る必要がある回答。 | ・聞き手が頑張って聞き取る必要がある回答。 |
採点例
「概念はわかったけど、実際どういう回答が、何点を得るんだ?」と気になった方。
ETSが回答例と採点例を出しているので、ご参照ください。
こちらは、ETSによるTask 3とTask 4の解説動画です。
「Sample Response」セクションで、回答例、ETSの採点、ETSの採点理由が説明されています。
スコアアップするには
採点基準を踏まえると、スコアアップに確実につながる方法があります。
以下に、手軽にできる方法を2つまとめますので、ご参照ください。
【スコアアップする方法】
①テンプレートを使う
②表現・構文にバリエーションを持たせる
①テンプレートを使う
採点基準の①Delivery、③Topic developmentへの対策として、テンプレートを持っておくのは合理的と言えます。
特に、非帰国子女で普段英語を話す機会が少ない方、素点2点以下からスコアアップを狙う方に有効です(素点3点の方も、持っておくとプラスに働きます)。
テンプレートのメリットは以下2点です。
1点目は、回答構造がクリアかつ網羅的になることです。
これにより、「アイデア間の関連性がよくわからない」とされることによる減点や、「回答内容の抜け漏れ」を防ぐことができます。いずれも、③Topic developmentにおいて重要な採点項目です。
2点目は、出だしの流暢さが上がることです。
「どのような構造で回答するか」、「出だしの表現をどうするか」を回答時に考えなくて良いため、出だしの流暢さが必然的に上がります。流暢さは、①Deliveryにおいて重要な採点項目です。
テンプレートをまだ持っていない方は、こちらの記事で解説していますので、ご参照ください。
なお、テンプレートを使った結果、かえって回答の質が低くなった、という方は、テンプレートが自身に合っていない可能性が高いです。適宜カスタマイズしてご利用ください。
②表現・構文にバリエーションを持たせる
採点基準の②Language useへの対策として、表現・構文にバリエーションを持たせることは重要です。
そのためには、「同じことを、違う言い方で言う」。これが大事です。
本番時に急にやろうとすると流暢度が下がりますので、普段からたくさん練習しておきましょう。
まとめ
本日は、TOEFLスピーキングの採点基準と、採点基準を踏まえた対策を紹介しました。
要点を押さえて対策すれば、22+点も実現可能です。ぜひ、あきらめずに、トライしてみてください。
なお、練習問題は以下記事でまとめていますので、練習時に活用ください。
また、タスク別の回答のコツや、回答例は、以下の記事で解説しています。
合わせてご参照ください。
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